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東京猫物語 第九十一話ー② [「東京猫物語・外猫観察記」(管理人著・猫のお話)]

東京猫物語
第九十一話 散会 ー②

α社のおねえさんは途中から他者との協調を拒み、限られた人たちとだけで公園猫の世話を続けてきました。バアサン妹は、α社のおねえさんの数少ない協力者の一人でした。一人で背負うよりもできるだけ多くの人が分担する方が楽なはずでした。しかし、猫に対する思い入れが強くなればなる程、飼育方法を巡って他の愛猫家との間に摩擦が生じて孤立してしまいました。

「バアサン姉妹がマンションに溜め込んだ猫たちは、御遺族がどうするか決めるでしょう。以前、α社のおねえさんからバアサン姉妹の猫を預かってくれないかと打診されたけれど、お断りしましたのよ。冗談じゃありませんわ。猫が小さくてかわいい時ばかり飼って、歳を取ったら人任せなんてねえ。お墓に片足はまった年寄が、後先考えずに好んで仔猫を飼うべきじゃなかったのですよ。他にも、腎臓病の老猫を二十万円払うから引き取ってくれないかと、相談しに来た人がいましたけれど、やはりお断りしましたのよ。二十万円では足りないし、直に死んでしまうのを見るのはとても辛いですからね」

愛猫家の写真屋さんは、猶も話を続けました。
「猫町公園の黒ちゃんもニューちゃんも交通事故で亡くなったそうです。決して外は安全ではありませんのよ。あの子たちも早い内に里親を探せば、飼猫になって死なずに済んだのに、私が紹介した人にあれこれけちを付けて里親に出さなかったのですよ」
何匹もの猫たちを保護してきた写真屋さんが、バアサン姉妹たちを嫌う理由は理解できます。
(続く)

もうすぐ 完結! 猫のおはなし

以上
管理人
2017.05.14

「どこにでもいるような飼主のいない猫たち。彼らのことをよく知るほどに、きっと素敵な猫に魅せられるはず。飼主のいない外暮らしは、猫たちにとって決して楽ではありません。どうぞ、懐いたらお家に迎えてくださいね」

*東京猫物語は1998年から数年間、東京都心の某公園で猫たちを観察した体験に基づく実話です。
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